小説『ママは対魔忍 乱れ堕ちる熟くノ一』を読みました【感想】

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対魔忍

2021年5月に発売された小説『ママは対魔忍 乱れ堕ちる熟くノ一』が、いつの間にかkindle unlimitedで読めるようになっていたので早速読みました。

原作ゲームと比較しつつ感想を書いていきますが、ネタバレを含むのでご注意下さい。

Black Lilithの人気ゲーム『ママは対魔忍』が衝撃のオリジナル展開でノベルズに登場!

愛する夫と息子と平穏な暮らしを送っていた元対魔忍の吉沢加奈。
しかしとある日魔族によって襲撃され、巻き込まれた息子の友人の健也が、強制発情の呪いをかけられてしまう。
元対魔忍としての矜恃から加奈はその豊満で熟れた身体を使って、呪いを解くため少年に精を吐き出させていくが、やがて健也にはドス黒い感情がわき上がり……。

二次元ドリームマガジンの人気連載が待望の単行本化!
さらに、最強の対魔忍・井河アサギがHに活躍する 書き下ろし小説も収録!

『ママは対魔忍 乱れ堕ちる熟くノ一』は、PCゲーム『ママは対魔忍』を原作とする小説です。

ママは対魔忍

もちろん私はゲームもプレイ済みですが、この小説はゲーム版とは大きく異なるストーリー展開となり、プレイ済みの方でも新鮮に楽しめるようになっています。

率直に言ってめちゃくちゃ良かったです。


そもそもこの『ママは対魔忍』という作品、正直ゲームとしてあまり評判はよくありませんでした。

歴代の対魔忍たちが総出演しているソシャゲ『対魔忍RPG』でも、この作品の登場キャラクターが影も形も現れないことからもなんとなく察せられる気がします。

不評の理由についてはいろいろあると思いますが、あくまで私の個人的意見として不満だった点を挙げると

①対魔忍として戦うシーンがほぼない

②対魔忍スーツを着るシーンが戦闘ではなくコスプレエッチのみ

③ママ対魔忍・加奈がただ性欲増強されただけの子どもち●ぽに堕とされる雑魚

④現役対魔忍・夏鈴の影が薄い

⑤既存の対魔忍作品との繋がりを感じられない(対魔忍の名だけ取ってつけた感)

⑥勝てない(敗北BADENDしかない)

というものです。

まとめると、対魔忍らしさをほとんど感じられなかったということになります。

加奈が元対魔忍ではなく、自分を元対魔忍だと思いこんでいる精神異常者だったとしてもそのままストーリー成り立つんじゃないかと思うほど対魔忍らしさがありませんでした。

何より、ピンチからの逆転劇が対魔忍シリーズ最大の魅力だと思っていたのに、どのエンディングでも勝利することが出来ないのはかなりのマイナスポイントでしたね。

しかも息子の友達・健也が話の中心で活躍する一方で、当の息子である悟はほとんど話に絡まないどころか、ママが対魔忍であることすらずっと知らないので『オバサンは対魔忍』の方がタイトルとして相応しいんじゃないかと思えます。

そういうわけで色んな意味でコンセプトが迷子でした。

これらの点には私もかなり不満でしたが、一応言っておきたいのが、決して「対魔忍でやる必要がなかった」とは思っていないことです。

一般家庭を舞台にして、「ママが実は対魔忍だった!」というのはそれまでの対魔忍シリーズには全く無かったセンセーショナルな切り口で大きな期待をしていたし、今後も「〇〇は対魔忍」とシリーズ化していって対魔忍の世界観が広がっていけばいいなと思っていました。まあこれっきり新作出てないんですけど。

その一方で、この小説では先に挙げた6つの不満点が見事に解消されていました。

①対魔忍として戦うシーンがほぼない

⇛印象的な戦闘シーンがある

②対魔忍スーツを着るシーンが戦闘ではなくコスプレエッチのみ

⇛戦闘時に早着替えを披露

③加奈がただ性欲増強されただけの小僧ち●ぽに堕とされる雑魚

⇛淫魔が健也に力を分け与えてアドバイスした上、媚薬や改造で感度3000倍にしちゃう

④現役対魔忍・夏鈴の影が薄い

⇛加奈の現役時からの知り合いに改変され、出番もガッツリある

⑤既存の対魔忍作品との繋がりを感じられない

⇛なんと本編後の話となる番外編でアサキが参戦

⑥勝てない

⇛原作とは全く異なる結末で、ある意味勝利と言えなくもない

と、ほぼ完璧にフォローされていました。

作者の新居佑先生は元々第一作発売当時からの対魔忍ファンということで、このノベライズも相当に気合を入れて書かれたとあとがきから窺えます。

こう言うとちょっと傲慢な物言いかもしれませんが、もしかしたら新居先生も私と同じように『ママは対魔忍』をプレイした際に「こんなの俺の知ってる対魔忍じゃない!」と思って執筆にあたって自分なりの対魔忍らしさを加えたんじゃないでしょうか。

そう思えるほど個人的には完璧なノベライズだと感じました。素晴らしかったです。

ただ、加奈が対魔忍としてしっかり戦ったり、健也が淫魔として力を振るうようになって普通に対魔忍らしい話になってしまった影響で、元々の趣旨の「一般家庭で暮らす普通のママが実は対魔忍だった」というセンセーショナルな要素が若干薄れてしまったのはちょっとマイナスかもしれません。

原作ゲームでは逆に対魔忍らしさがなさすぎてこの要素が死んでいたので、ゲームと小説のストーリーを足して2で割った上で息子・悟を主軸に絡めてさらに文句なしの逆転大勝利エンドも追加してゲームを作り直せばかなりの名作になったんじゃないかと思います。

まあそんな仮定をしたところで、今のLilithは新作エロゲを作る気配が全くないのでいろんな意味で残念な作品でした。

小説自体の出来はとても良かったので、原作プレイ済みの方もそうでない方も是非読んでみてください!


以上!

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