FANZAのセールで購入した『魔法少女消耗戦線 DeadΩAegis』という作品をプレイしたらあまりにもヤバかったので感想書いていきます。
ネタバレは極力なしでいきます。
人類は君達(魔法少女)を消費する
「魔法少女」+「エイリアン」+「戦争」
★可哀相な境遇の魔法少女
設定、境遇、運命と、徹底的に「可哀そう=エロ」に極振りした「魔法少女」の物語です。
可憐で勇ましいプロパガンダの裏で、酷い目に会いながらも、折れずくじけず戦う少女の姿にエロスがあります。
★自ら受け入れる、多彩なアダルトシチュエ―ション
無理矢理と同じくらい、納得して健気に耐える少女の姿にもエロスがあります。
敵と戦うために、その敵に犯●れ、体内に埋め込まれたエイリアンの卵によって自ら快楽に堕ちていく。
抗うことすら許されない少女たちの葛藤と羞恥と決意。
触手・異種姦、ご奉仕凌●、強化実験、下士官輪●などの様々なシチュエーションを用意します。
★シリアスな戦争ドラマとアダルトシチュエーション
魔法少女を使い捨てる男達と軍、精神と肉体の逃避先である宗教。
情け容赦のない残酷な物語によって生まれるエロティシズム
人類がエイリアンC.Cと生存をかけた戦争をしているシビアな世界のお話。
ちなみにC.Cの読みはシーツーではなくシーシーです。
C.Cには核兵器すら通用せず、唯一有効なのが魔法のような不思議な力を持つ魔法少女こと特殊戦技兵。
主人公の飯塚みのりは、幼い頃に命を救ってくれた英雄である魔法少女・リゼットへの憧れから魔法少女を目指し、念願かなって選抜試験に合格して魔法少女の資格者として前線基地カテドラルへと着任します。
しかし過酷な最前線であるカテドラルには夢も希望も存在せず、大勢いた新任魔法少女たちは次々と命を落としてしまいます。
まさにタイトル通り魔法少女たちが消耗されているわけです。
しかし本作ではC.Cとの戦いの過酷さ以上に、魔法少女たちを追い込み消耗させていく人間の悪意・醜悪さが強調して描かれています。
宇宙の彼方に存在するカテドラルには法も軍規も及ばず、少女たちには男性職員からの検査や特訓と称した悪質なセクハラが日常的に行われ、それは次第にエスカレートしてレ●プが当たり前の光景となり家畜のような扱いをされて徹底的に尊厳が破壊されていきます。
そして状況を好転させる希望が見えたと思ったら、あっさりとそれを打ち砕かれる。その繰り返しです。
本当に胸糞悪いです。
特にキャラハンというオッサンは顔つきからしてゲスだし、セリフの全てが攻撃的で悪意に満ちており、あからさまに意図してプレイヤーに胸糞悪さを植え付けようとして作られていました。
他のキャラもなんかイイヤツ風な雰囲気を出してたのもいますが、基本的に主人公と数人の仲間以外は胸糞悪いクズ人間ばかりです。
さらにストーリーを進めてくと、カテドラルの特殊な環境のせいだと思っていた理不尽なことが、実は外でも何も変わらなかったという、人類そのものの邪悪さに気づきます。
「C.Cに人類絶滅してもらった方がハッピーエンドなんじゃないかな」と本気で思えるほど悪意に満ちていました。
唯一C.Cに対抗できる希少な存在のはずの魔法少女がなぜそんな非道な扱いを受けなければならないのか、
そこまでしていて何故人類は勝てないのか、
誰もが感じる疑問だと思いますが、これには物語の根幹に関わってくる重要な真相があります。
意外とそういったミステリ要素も混ざったSF作品としての面白さがあり、C.Cとの戦闘描写も緻密だったりしてストーリー全体で見ると胸糞悪いのに不思議と苦も無く読み進められてしまうんですよね。
そして、この理不尽な状況で何度心が折れても再び立ち上がり、憧れた魔法少女として人類を守ろうとするみのりの心の強さと、助け合う仲間たちとの絆の熱さが本作の魅力だと思います。
個人的に特に好きなキャラクターは、みのりのチームメイトであるイリューシャですね。
初見の印象はクールでドライな感じでしたが、実際には誰よりも仲間想いで優しく熱いキャラでした。
現役アイドルであり芸能界で人間の汚い部分を知ってきた分、どこか諦めて達観したような一面もありメンタル的にタフなので、度々心をへし折られるけど諦めずに何度も立ち上がるみのりと互いに魅力を引き上げていました。そしてアホの七虹が潤滑油となって、魅力的な3人組になっていたと思います。
公式人気投票では、みのりの憧れの英雄であるリゼットが1位だったらしいんですが、正直かなり意外でしたね。
リゼットが出てくると電車で同じ車両に大声で奇声を発するヤバい人が乗ってきた時みたいな不快感を覚えたんですが、私だけでしょうか。
肝心のエロについては、イラストは綺麗でみのりが徐々に淫らに堕ちていく過程も良いので、サンプル見て気に入った方なら満足できると思います。
特に陰毛の描写にはこだわりを感じます。途中からはエロさよりも悲壮感の方が上回ってしまいますが、「可哀そう=エロ」と思える方には最高の出来でしょう。
ただ、魔法少女というイメージに反して相手役のほとんどは人間で、女性キャラも多数登場するわりにシーン全体の7~8割はみのりということは留意しておいた方がいいかもしれません。
ちなみに、リョナ的な意味でショッキングなCGもありますが数は僅かです。物理的なリョナより精神的なリョナに重きを置いている作品です。
ストーリーは選択肢によって中盤から大きく分岐し、BADEND以外に2つのエンディングがあります。
一応はどちらもハッピーエンドと言えるもので(たぶん)、道中の胸糞悪さに反して思い外爽やかに終われます。
両方プレイすることで世界観や各キャラクターのことがさらに理解できるようになり、ボリュームもたっぷりなので満足感も大きいですね。
私はカテドラルに残る方のルートからクリアしたんですが、この順番の方がストーリーを理解しやすくて正解だったんじゃないかなと思います。
不満点としては、一応爽やかに終わるとは言ったものの胸糞悪さに対するバランスが取れていないと感じたところですね。話の終わり方自体は文句ないんですが、胸糞キャラたちにはもっとスカッとできる末路を辿ってほしかったです。
でもそういう、人間の割り切れない部分も人間の醜い部分としてこの作品で描きたかったことなのかもしれません。
あとは絵の少なさですね。シーン数自体は物足りないわけではなかったんですが、頻繁に名前の出てくる同僚に立ち絵がなかったり、地の文だけで語られてCGがない叡智シーンが度々出てくるっていうのはちょっと気になりました。叡智シーン自体がみのりだけで大半を占めているので、もうちょっと他のキャラにも分けてほしかったとも思います。
ただ、これは後に発売された『魔法少女消耗戦線 another record -ちいさきものたちのゆめ-』である程度補完されていて、本編では立ち絵すらなかった可哀そうなキャラや出番の少なかったキャラの外伝が描かれているようです。
これも3000円セットで一緒に購入済みなので、すぐにプレイしたいと思います。
そういうわけで、重厚なストーリーのエロゲを楽しみたい方や胸糞悪さを存分に味わいたい方には非常にオススメの作品でした。
でもこの手の作品ってドS向け(悲惨な目に遭うヒロインを見て楽しむ)なのかドM向け(ヒロインに感情移入する)なのかどっちなんですかね。私はどちらかというと後者でした。
以上!
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