みなさんこんにちは。
7月に発売された新作戦姫覚醒触手SLG『VenusBlood Valkyrie』をようやくクリアできたので感想をお話していきたいと思います!
少しだけネタバレ的な要素も含むのでご了承ください。

●venus bloodシリーズについて
venus bloodシリーズは2007年から続いているdualtailの成人向け人気SLGシリーズで、ファンタジー的な世界観と重厚なストーリーが魅力なんですが、ほとんどのシリーズ作品を通して触手と悪堕ちが特徴的な作品になっています。
私は日頃からキャラの魅力を引き立たせるのはキャップだってことをよく言ってるんですが、悪堕ちはその極致みたいな感じなので個人的に大好きなジャンルでこのシリーズもほぼ前作プレイしています。
そして悪堕ちというとヒロインのことだと思いがちですが、主人公自身にも悪堕ち要素があり選択肢によってパラメータが変化し王道展開のロウルートと邪道展開のカオスルートに大きくストーリーが分岐するのも大きな特徴です。
触手の方は正直それ自体はそんなに好きなわけではないんですが、ただの触手責めだけではなく特殊な機能を持った触手なんかも出てきたりして、あまり他では見られないようなぶっとんだHシーンが見られるのは大きな魅力です。ちなみにだいたいの作品で1人はフタナリ化させられるヒロインがいます。
過去にソシャゲ化したこともあってこのブログでも紹介してたんですが半年くらいでサ終してしまっています。
残念な気持ちもありましたが、ソシャゲが成功していたらこうして新作が出ることもなくなっていたのかもしれないと考えるとちゃんと失敗して良かったなという気もしてしまいます。
●VenusBlood Valkyrieのストーリー
◆物語のあらすじ
勇士ローラン、いざ世界樹奪還の覇業へ!
太古より世界樹の恩恵によって栄えたオースコフィン大陸。
だがその大地は、長い冬の周期(サイクル)を迎えていた。
神族の聖地、世界樹ユグドラシルが魔族の支配下にあることを嘆く
大神オーディンは、世界樹奪還の悲願を選ばれし勇士ローランに託す。
邪竜の牙より鍛造せし聖剣グラムノヴァと、魂を縛る天輪ヘリヤルリンカーを手に、
大陸統一の覇業に乗り出すローラン。
だが戦いの最中、ローランは世界樹を巡る戦いに仕組まれた、巨大な陰謀について知ることとなる。
手にした者に大陸の覇者となる力を授けるという、ユグドラシルの果実――。
果たしてローランの行く末は、神の駒か、それとも――?
その選択が、神魔の最終戦争(ラグナロク)の気配忍び寄る大陸の運命を左右する。
VBシリーズは神的な勢力に挑む魔族的な勢力側の主人公という構図が多かったので、神VS魔族の間に挟まる人間が主人公というのはけっこう新鮮でしたね。

当初はオーディン様に従う尖兵としてパートナーであるヴァルキリーのリーンフォルテと共に魔族と戦うんですが、次第に神や魔族に人間が都合よく利用される状況に疑問を持ち始めて、自ら覇権を握ろうとユグドラシルの果実を狙っていくことになります。


序盤から終盤までストーリーを通して重要な役割を持つアイテムが『天輪(ヘリヤルリンカー)』です。
オーディンや神族のために戦う勇士に送られる宝具。
その者の潜在能力を引き出し、勇敢に戦う(恐怖心をなくさせる)というありがたい宝具だが、オーディンへの信仰を増幅させ、その命令を至高のものとするよう意識を改変する作用を持つ。
リンカーのランクによっては、記憶操作や改変、抑制といったこともできる。
特に主人公ローランにはその才覚があり、エッチを通して相手を思い通りにするなど、オーディンさえ想定していなかった応用をする。
公式サイトより引用
オーディン様の有志の証だった天輪の真の力をローランは引き出し、触手を操ったりヒロインたちを洗脳していきます。洗脳って言ってますが個人的な印象では強めの暗示って言う感じでした。
サブキャラに対しては雑に洗脳オラァ!って感じで分からせることもありましたが、メインヒロインたちに対してはそれぞれの人格をある程度は保った上で誘導していたような印象です。
調教が最終段階に入ると『魂魄臨転(ソウルエボルト)』によってヒロインたちを覚醒させてより各々が秘めていた欲望に忠実な姿へと変貌させます。
これが今作におけるいわゆる『悪堕ち』イベントになります。
そして、ローランが天輪を使いこなしていくにつれて次第に自分自身もまたオーディンに洗脳され利用されていたということに気づいて反発し下剋上を狙っていくことになります。
ローランの行動原理はとにかく他者に利用されたり、従わされることが我慢ならないという感じで自分の意志を貫くこととか自由であることにこだわっている印象だったんですが、じゃあそれで結局自由になって何をしたいのかっていうとあまりそのビジョンありませんでした。
敵側は一応それぞれの理想とか目的があって行動していたので、主人公にそれが感じられなくてただ相手に従いたくないだけっていうのはちょっとなーって一時は思ったりもしたんですが、途中からその役割をヒロインのリーンフォルテが担っていると気づいてからはこれはこれでアリだなと思いました。
最初は正直リーンフォルテのキャラが弱い気がしていたんですけど、ストーリー後半でローランが持っていない理想を持っていて足りないところを補いあっているもう一人の主人公的キャラクターだと気づいてからはとても良いヒロインに見えるようになりましたね。
終盤の展開にも意外性があってストーリーはかなり楽しめました。
ちなみに、今作は『VenusBlood-FRONTIER-』『VenusBlood-RAGNAROK-』に続くヴィーナスブラッド北欧神話シリーズ第三弾!と謳われていてストーリーでも北欧神話をモチーフにした要素が散りばめられているんですが、過去作と直接的な繋がりがあるわけではないので未プレイでも問題ありません。
一応、過去作のスチルが出てきて何か繋がってるような匂わせはあったんですが、ファンサービス的な感じでそんなにたいした意味は無かったと思います。ちゃんと考察したら何かあるのかもしれませんが。
●Hシーン
今作も過去作同様非常にハイクオリティなHシーンが満載でしたが、特に嬉しかったのが『魂魄臨転(ソウルエボルト)』ですね。
これまでは天使とか女神を悪堕ちさせるのが定番だったんですが、今作ではそれだけではなくなんと逆に魔族を光堕ち(?)させることが出来てしまいます。
ヒロインの調教が進んでいき、ついにその姿まで変質してしまう瞬間というのは最もカタルシスを感じることの出来る瞬間なんですが、それを味わえるキャラクターの数が単純に多いというのは非常にありがたかったです。
特に、最近のシリーズ作品では
前作の『VenusBlood Savior』はビジュアル変化を伴う悪堕ちするキャラが3人、
前々作の『VenusBlood:Lagoon』では1人しかいなくて
前々前作の『VenusBlood-BRAVE-』ではまさかの悪堕ち形態0
という寂しい状況が続いていたので今作で8人ものヒロインが闇堕ち・光堕ちを魅せてくれたのはとても有難かったです。
ヒロイン一人ひとりもそれぞれキャラが立っていて魅力的だったんですが、特に好きだったのはオルトリーファというキャラですね。

オーディン様への忠誠を誓い、民の事を想っていて正々堂々とした騎士道精神を重んじるような正統派女騎士的キャラです。
そのままでも十分魅力的なんですがソウルエボルトしてからはローランに忠誠を誓うドスケベドMになって戦いでも手段を選ばなくなります。
それがHシーンにも如実に反映されてなかなかの痴態を見せてくれます。
SLG的な部分で、元々持っていた『正々堂々』というスキルがなくなるというのも良かったですね。
こういう、ストーリー上での要素がしっかりゲーム部分に影響を及ぼしてくる仕様は大好きです。


ただ、ソウルエボルトした後もそんなにシチュエーションの代わり映えがしないように感じたヒロインも何人かいたのは残念でした。
なんか全体的にカオスルートの展開が大人しめなんですよね。
触手を使ってはいても手ぬるいというか、SMプレイの範疇みたいなシーンが多くてあまり印象に残るぶっ飛んだHはありませんでした。
単に自分がいろいろ見過ぎて慣れてしまったというのもあるとは思うんですが、明確に分かる過去作との差として、フロンティア、ラグナロクでは悪堕ちだけではなくさらに一線を越えてイっちゃってる最終形態的なのがあったのに今作ではありませんでした。
ソウルエボルト後の姿は公式サイトでも普通に全員分公開されているのでサプライズ感は皆無で、さらなる変化があることを期待していたんですがそれが無くてちょっとがっかりしてしまったのが正直なところです。
仮面ライダーとかでも新フォームの登場ってめちゃくちゃワクワクしたじゃないですか。
でもそれが本編で登場するよりも前におもちゃのCMとかで目には入っちゃってネタバレされると萎えるじゃないですか。
それと同じ感じだったので、更なる隠し玉があることが理想ですが無いんだったら変化後の形態は公式サイトではシルエットだけにするとか、一部のキャラしか見せないとか、サプライズ要素を残してほしかったですね。
あと天輪は本来オーディンやヴァルキリーが使うもので、主人公も実はオーディンの洗脳を受けていたって話があったんだからどこかしらで敗北Hがあったらよかったのにっていうのも思いましたね。
●SLG要素、周回要素
SLG要素は過去作との変わり映えはあまり感じなかったですが、まぁ楽しめました。
やっぱりストーリーが進むにつれてどんどん強力な仲間が増えていったり、ヒロインたちが加入して戦闘に連れて行けるようになったりっていうのはワクワクします。
ただ、周回プレイを前提とした作りになっているのはなかなかしんどかったです。
VBシリーズは毎回、戦闘を交えながらメインストーリーを進めてその合間に行動力を消費してヒロインごとのサブイベントを進めていくという形式なんですが、今作は一周目では行動力が全然足りず途中までしかサブイベントを進められません。

ハートマークがついてるイベントはHシーンなんですが、イベント自体は見えているのに行動力が足りなくて実行できないとか、続きの話が気になるのに見ることが出来ないとか、とにかくフラストレーションが溜まります。
メインストーリーを進めたり、たまに出てくる戦闘イベントをクリアすると多少行動力は回復するのですがそれでも全然足りません。
そしてバッドエンドになります。
調べたら第三章の時点でロウとカオスの数値合計が30以上じゃないとソウルエボルトのイベントが発生せず、そのイベントを見ていないと第五章でバッドエンド確定になるみたいです。
基本的に選択肢を選ぶときはロウかカオスのどちらかの数値は上がるはずなので、選択肢の間違いとかは関係なく純粋にこなしているイベント数が足りないということなので一周目は確定でバッドエンドになると思われます。
そしてバッドエンドのデータを引き継いで2周目に突入すると初期行動力が15上がっていて、3周目はさらに15上がり、4周目で初期行動力が45(上限)となり全てのサブイベントを見ることが出来るようになります。
この仕様っていりますかね?
普通に最初から十分な行動力あったらだめなんでしょうか。ストーリーが盛り上がっているところで打ち切られてしまってまた最初からやり直しになるのは読み物としてのテンポを著しく悪くしているし、何よりSLGパートをまた1から攻略し直すのがあまりにも辛いです。
このゲームの戦闘は編成さえ出来上がれば戦闘はほぼ自動で進むのでそこまで面倒ってわけではないんですが、クリック操作は必要だし時間もかかる上に、一周目はまだ新鮮な気持ちで楽しめても二周目からは単なる作業になってしまうのでなかなかの苦行です。
しかも当初はバグでフリーズすることがちょくちょくあったのでAutoSaveがあったとはいえ戦闘開始時点まで戻されてしまうとかもあってさらに苦行に拍車がかかっていました。(修正パッチ適用してからはフリーズしなくなりました)
一応このゲームは、SLGとして周回プレイで高難易度でのクリアを目指すやりこみ要素も売りの1つになっているので、もしかしたら周回によってストーリー面でも楽しみが増えていくようにという計らいによって行動力を周回で上げていく仕様になっているのかもしれませんが、やり込みたい人はそんなんなくても周回するしストーリー読めればいいという人の枷にしかなっていないと思うのでやめてほしいです。
というかVBシリーズって、ロウルートとカオスルートがあるのでストーリーだけ見たい人でも最低2周はするんですよね。それで十分満足感あるのに、なんでスタートラインに立つだけで3周もかかっちゃうんですか?
しかもルート分岐や個別エンディングの条件もけっこうシビアで、カオス上げなきゃ…って思って選択肢選んでたらヒロインの好感度が足りなくなって個別エンディング見れなくなってもう一周しなくちゃいけないってこともあります。というか私はそうなりました。
5周かけてロウルートとカオスルートクリアしたんですが、カオスのリーンフォルテ個別エンドだけ見れてなくてシーン回収率99%になってます。この1シーンだけを回収するためにもう一周する元気が出ません。
さらに分岐する瞬間も不親切で、選択肢で選ぶとか数値によって自動で決まるとかではなくて、パラメータによってカオスルートへ行くサブイベントかロウルートへ行くサブイベントが出現し、どちらの条件も満たしている場合はどちらも出現し、1つを実行するともう一方は消滅します。そしてそのサブイベントがルート確定イベントであることは事前に分かりません。
なので、機械的に上から順番にサブイベントをこなしていたりすると本当はカオスルートに行きたかったのに知らない間にロウルートに確定してしまっていたなんてことも起きます。

↑とか、「悪夢から逃れて」を実行するとリーンフォルテそのままルートに行って「心の証」を選ぶとリーンフォルテ悪堕ちルートに行くんですが、絶対初見じゃ分からないです。右にイベント詳細なんてあるんだから、せめて「○○を実行すると消滅します」みたいな注意書きあってもいいじゃないですか。
そういうので、余計な周回を重ねざるを得なくなり周回したくなければストーリーも楽しみ切れなくなってしまいます。
ただ、こういった問題って今作から始まったものじゃなくてたぶん過去作からそうなんですよね。あんま覚えてないんですけど。
昔はもっと余裕があって周回プレイが苦にならなかったけど、今は他にやることが多くて厳しくなってきたっていうのもあるんだと思います。
私の場合youtubeを始めたっていう分かりやすい時間足りない問題があるんですけど、たぶん他の人も今の世の中コンテンツが溢れすぎていて一つ一つに長い時間をかけづらくなっているっていうのは多かれ少なかれあると思います。
フルプライスで重厚なストーリーとエロが楽しめる成人ゲームは近頃ではかなり貴重になっていると思うのでこのシリーズには続いてほしいしまた新作が出たら絶対に買うつもりなんですけど、もう少し気軽にプレイしやすくなると嬉しいですね。
総じて、ここ最近のシリーズ作品の中ではストーリー、Hシーンともに満足度高めだったけどもっと良くなる余地はだいぶ残されている印象でした。
個人的なシリーズ最推し作は依然として『VenusBlood HOLLOW International』(VenusBlood HYPNO)のままですね。
FANZA GAME遊び放題プラスに入ってる人だったら『VenusBlood-FRONTIER』もおススメです。
そんな感じでした!
よかったらみなさんも十分な時間を確保した上でプレイしてみてください!
以上!
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