今話題のAV新法とAV禁止法について整理する

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対して

■AV禁止法とは

※参考

立憲議員「性行為伴うAV禁止法」検討発言で紛糾 「大変に難しい」党内で反発も…共産党は前向き

 

前述したAV新法に関する質疑の中で立憲民主党の堤かなめ氏の質問で飛び出た

「性行為を伴うAVの禁止については、立憲民主党としてこの法律とは別途検討を続けることが可能であると考えますがいかがでしょう」という発言と、

それに対する森山浩行氏の「検討を続けることを何ら妨げるものではございません」という返答

を指して一部ネット上などで便宜的に呼ばれているもので、現状では審議以前の議員個人が「言ってるだけ」のものです。既に成立の見通しが立っているAV新法とは全く次元の異なる話です。

堤氏は

「映画やテレビで殺人のシーンがあったとしても、それはあくまで演技であって撮影の際に人を殺すことはありません。しかしながら、性交については演技でなく実際に撮影現場で行われることもあると聞いております。この場合、妊娠や性感染症、うつやPTSDなどの危険性がございます。また、撮影現場で暴行、凌辱行為など個人の尊厳や人権、とりわけ若者や女性の尊厳や人権を踏みにじる行為が行われた場合、心身の安全や健康への影響を及ぼすことになりかねません」

「人間の尊厳と人権の尊重という観点から、立憲民主党としてAVなどにおけるあらゆる性的搾取を根絶するため、今後も全力で取り組むことをお誓い申し上げて質問を終えます」

と述べています。

 

この発言にはいろいろと突っ込みどころがあるので、個人的見解にはなってしまいますが一つ一つ検証していきたいと思います。

 

①映画やテレビで殺人のシーンと比較していることについて-1

まず大前提として、「性行為」が「悪」であるという重大な事実誤認があります。

「殺人」と「性行為の『強要』」が「悪」なのは誰もが認める所だと思いますが、「性行為」自体は「悪」ではありません。この方は自分がどうやって生まれてきてどうやって子を産んだのか理解しているのでしょうか。心配になります。

 

②映画やテレビで殺人のシーンと比較していることについて-2

ドラマや映画では実際に殺人することはないと言っていますが、作品によっては視聴者から見れば実際に殺しているようにしか見えないような「殺人の状況そのものを写したシーン」も存在します。

例えば射殺や絞殺のシーンなんかはドラマだと分かっているからフリだと分かるけど、映像だけ見たら実際の殺人と見分けがつかないですよね。

とすれば、この堤氏は「CG等を駆使して視聴者からは性行為しているようにしか見えないけど実際にはしていない」作品にしろと言っているんでしょうか。

であれば現状でも通常流通しているAV作品では性器にはモザイクがかかっているので実際に性行為しているかどうかは分からない作りにはなっています(詭弁ですが)。そもそもそういう建前のためにモザイクがあるという話も聞いたことがあります。

脱線しますが「建前はともかく実際にやっているならやめろ」という話であれば、先にパチンコを規制してほしいですね。

 

また、視聴者が性行為をしていると受け取るような描写そのものを禁止しろと言っているのであればドラマの殺人でもやっていることなので例えとして不適当です。

この例えで結局何が言いたいのかイマイチ伝わってきません。

 

③妊娠や性感染症、うつやPTSDなどの危険性

私も業界人ではないのであくまで聞きかじった話でしかありませんが、現場での妊娠や性感染症への対策については徹底されていると聞きます。むしろプライベートの性交渉よりも安全なのではないでしょうか。

また、うつやPTSDについては「性行為」と「性行為のふり」の間でどこまでの差異があるのか不明瞭です。「性行為」を禁止してしまうことで、実際の「性行為」以上にPTSDの危険を孕む特殊なプレイが生まれてしまう可能性もあります。

そもそも出演者の合意が大前提であり、そのために新法があることからも危険性は低いと考えられます。

もちろん合意があったとしても、「思っていたのと違った」などとショックを受けることもあるかもしれません。ですがそれは、AVに限らず様々な業種・業態でも存在するものです。

一般企業でも顧客や上司に叱責されて鬱やPTSDを発症したなどという話は枚挙に暇がないですよね。

この点を取り上げてAVを規制しようというのは無理があるように思います。

 

④撮影現場で尊厳や人権を踏みにじる行為が行われた場合

AVに限らず様々なコンテンツにおいて、シチュエーションの多様性は重要なもので守られるべき表現の自由があります。

その中には客観的に見て「尊厳や人権を踏みにじっている」と感じる表現もあります。

もちろん演者個人に対してこうした行為が行われるのは看過できるものではありませんが、あくまで「そういう役」なのであればこれを否定することは、AVだけにとどまらず様々な表現の自由を奪う恐れがあります。

演者自身がそれとどう向き合うかはドラマ・映画・演劇・AV・アニメなど様々な表現作品でも同じことで当人が乗り越える、あるいは回避するべき課題だと思います。

 

⑤性的搾取を根絶

昨今ではよく耳にする言葉ですが、いったい誰から誰の搾取なのでしょう。

近頃のAV業界を取り巻く情勢については、当事者たるAV女優からも様々な発信がされています。

トップ女優の紗倉まなさんもこんなツイートをしていますね。

直接的に何に対する意見なのかは明言していないし、ツイート自体AV禁止法の話より前にされたものではありますが今回の一件に対しても言えることだと思います。

 

政治家先生にはあくまで「作品」であるAVではなく、現実に起きている性犯罪、現実に存在する被害者にもっと目を向けて欲しいです。

そういえば過去に支援者女性への強制わいせつで書類送検された初鹿明博氏や「14歳との性交」発言で物議を醸した本多平直氏も堤氏と同じ立憲民主党所属でしたね。

初鹿衆院議員が辞職届 強制わいせつで書類送検、不起訴も「けじめ」

「14歳と同意性交、捕まるのはおかしい」立憲議員発言

 

⑥立憲民主党として

今回、堤氏はこのAVにおける性行為の禁止について「立憲民主党として」取り組んでいくと発言していますが、立憲民主党幹事長の西村智奈美氏は

「立憲民主党が党方針として「性行為伴うAV禁止の法制定」の検討を決定した事実はありません。」

とコメントしています。

あくまで「検討が可能」であるだけとのことです。

なので現状では実際に「性行為を伴うAVを禁止する法」が実現する可能性は低いと思います。そもそも立憲民主党が一丸となったとしても現状の議席数では可決できません。

とは言えこれに同調する意見も党内外であるようなので今後の動きには注視していく必要がありますね。

 

考えようによってはこれも国民が政治に興味を持ついいきっかけになるのかもしれません。

「自分が投票する先によってAVが見られなくなるかもしれない」っていうのは選挙への興味喚起としてはこれ以上ないものでしょう。

 

以上が最近噂のAV新法、AV禁止法についてのまとめとなります。

ひとまず一視聴者としてなら、なんら影響はないと考えていいでしょう。

 

性行為禁止のような偏った意見が出てしまうのは、自分の意見・自分が耳を貸す特定の人物の意見だけを正として異なる意見には耳を傾けない民主主義とは程遠い思考回路に原因があると思います。

しかし、そのような考えは政治家に限ったことではなく全ての人間が気を付けなければいけないことです。

特にSNS等では、自分と考えがあう意見だけを聞いて異なる意見はブロックしてしまうことが容易にできるので、いつしか目に入る情報のみが全てで正しいと錯覚してしまいがちです。

私も気を付けたいと思います。

 

以上!

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