『対魔忍紅』という作品を解説する

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対魔忍

今回は、『対魔忍紅』について解説していきます。


主に対魔忍が陥ってしまったピンチについて「何故そうなってしまったのか」「どのような決着を迎えたのか」を解説することで対魔忍の有能さを証明しようと思うので、大きなネタバレを含みます。

ご注意ください。

 
■原点回帰、深淵なるブラックリリス作品へ
対魔忍アサギシリーズの危険過ぎるハード描写を継承した正統派『近未来くノ一調教アドベンチャー』。
数々の特殊趣向描写に要注意です!
 
■ストーリー
対魔忍の秘められし物語が今語られる!!
『殲血の紅姫』と呼ばれし闇の纏う異形の対魔忍、その名は紅。
血と闇の宿命を背負いしヴァンパイア・ハーフは
今日も悪を滅するために戦う―――


2015年に発売された、『対魔忍アサギ』シリーズ、『対魔忍ユキカゼ』シリーズに続く新たな対魔忍作品です。

作品紹介で”原点回帰”と言われているように、ユキカゼシリーズとは違い無双⇒ピンチ⇒改造・調教⇒大逆転の流れという対魔忍元来の魅力がつまったストーリー構成となっています。

ストーリー上の時系列は対魔忍アサギよりも少し前で、現状最も古い時代の話となっています。


●主な登場人物

・心願寺紅

魔族と人間のハーフでありながら、対魔忍として生きる異端の存在。母親は魔眼を持つ対魔忍・心願寺楓で、父親は対魔忍シリーズおなじみの宿敵エドウィン・ブラック。

楓は異種交配に関する高い適応能力を持った特異体質で、ブラックが自分の子を産ませるために拉致して孕ませました。その後、楓の父・心願寺幻庵が必至の捜索の末ブラックを見つけ出し救出を試みましたが敗北し重傷を負い、生まれた赤子である紅だけはどうにか連れ帰ります。

そして幻庵によって育てられた紅は“ふうま八将”の一人に数えられる対魔忍に成長し、依然行方不明の母親の情報を得るために日々任務に邁進しています。

時系列の最も古い作品ということもあって、当時の対魔忍は組織として成立する最中の段階で、公務員どころか存在自体一般人には秘匿されていました。

なので紅は世を忍ぶ仮の姿として都内某所の児童養護施設で働いているのですが、子供達は紅によく懐いており、そんな子供たちを見て紅も魔族と戦って平和を守ることに母親の救出以外の意義も見出していきます。

こういう、戦う理由がちゃんと描かれている対魔忍って実は今までほぼいなかったんですよね。

アサギは一作目では婚約者を助けるために戦っていましたがそれ以外の作品では「仕事だからやってる」程度の印象しかありませんでした。なにしろ、アサギはカオスアリーナ崩壊の際に観客の一般人を勢いで皆殺しにしてますからね。他の作品でも、一般人を助けたり気に掛けるような場面はほぼありません。

そんな中で、「母親を救いたい」「子供たちを守りたい」という想いで戦う紅は対魔忍界で随一の人格者で正真正銘のヒーローと言えるでしょう。個人的にもかなり好きなキャラクターです。

対魔忍として持つ異能の力は『神眼』で、大気中の歪みを察知するして高速で切り込むことで絶大な切れ味を持つ真空の刃を生むことができます。たぶん風の傷みたいな感じです。

覚醒後は、存在そのものの歪みを察知して相手が人工物であろうと不死の魔物であろうと、歪みに刃を走らせることであらゆるものを断ち切ることができるようになります。たぶん直死の魔眼みたいな感じです。

戦闘では二刀の小太刀『白神』『紅魔』を扱い、必殺技は『絶技・旋風陣』。

今作では、高位魔族であるブラックの血を引くハーフ・ヴァンパイアであるという希少性から天堂数馬によって捕えられて激しい肉体改造と調教を受けることになります。

・槇島あやめ

ふうま一族に属する対魔忍で、紅に忠誠を誓う腹心の部下。

風遁の術の使い手で、風読みによる高精度の狙撃を得意としています。

元々、一門の長である紅の配下にあたる立場ではありましたが、心から忠誠を誓うようになったのは過去のある一件で紅に助けられたことがきっかけです。しかし恩義があるから忠誠を誓っているわけではなく、その際に敵を殺戮して返り血を浴びる紅の姿を見て美しいと感じ惚れ込んだからというサイコな一面が個人的に好きです。

紅と一緒に天堂数馬によって捕えられ改造され、苫利へと引き渡されます。

・天堂数馬

闇の歓楽施設“グリードハウス”の主で、人間でありながら魔族と結託して数々の闇商売に手を染めている異端者。本作の竿役代表①かつ表ボス的立ち位置。

ヨミハラでの覇権を巡ってノマドと対立しており、ブラックに対して優位に立つために紅を手中に収めようと罠にかけます。

紅、あやめを捕らえた後は魔界医療の技術を使った『外道鍼』で2人を改造し、改造された2人は主人として設定された相手に対して一万倍の快感を受けるようになってしまいます。

・フェリシア

グリードハウスの主・天堂数馬に仕える魔族の少女で、徹底した改造調教によりあらゆる欲望のニーズに対応することができる優秀なメス奴隷。

新しく天堂のメス奴隷にされた紅の先輩としていろいろとお手本を見せてくれます。

しかしその正体は、エドウィン・ブラックの娘で紅の実の妹。メス豚をやっていたのもブラックの指示による演技でした。

赤子の頃に救出され人格者に育った紅とは違い、ブラックの元で育ったため非道で残虐な性格をしていて、自分の妹ができることでブラックからの興味が薄れることを危惧して母・楓を殺害してしまいます。

・苫利礼一郎

対魔忍に指令を下す政府直属機関のエージェント。元は紅と同じ心願寺一門の忍びでしたが、実力は今一つで待遇の不満から政府職員に転身しました。本作の竿役代表②

対魔忍時代の劣等感から来る逆恨みや、あやめへの個人的執着によって紅・あやめを裏切り天堂に協力します。

天堂の外道鍼によって改造されたあやめを引き渡された後は、自分の欲望を満たすために使ったり政府高官への接待に利用して出世していきます。

●事件の背景

本作では紅とあやめが天堂によって罠にハメられ捕えられてしまうわけですが、これは100%苫利の働きによるものです。

苫利はKing’sPleasureというナイトクラブに天堂が現れるという情報をどこからか入手し、紅にドスケベ衣装を着せて店のキャストとして潜入するよう指示します。

しかし苫利はこの時点で既に対魔忍を裏切って天堂と協力しており、この作戦自体が紅を捕らえるための罠でした。なので紅の潜入は天堂に筒抜けです。

作戦のバックアップにあたっていたあやめも、仲間だったはずの部隊に背後から撃たれて捕まってしまいます。

そして薬を盛られて実力を出せず、あやめを人質に取られた紅もまた捕らえられてしまいます。

これに関してはもう対魔忍が有能か無能かとかそういう話じゃないですよね。

自分たちに命令を下す政府の人間が裏切っていて、仲間の部隊も裏切っているのです。

鬼滅の刃-遊郭編で例えるなら派手柱が裏切っていたようなものです。そんな状況で罠にかかったことを責めるのは酷な話でしょう。


●結果

終盤、メス豚として出来上がった紅のお披露目オークションで、紅は自身に流れる吸血鬼の血を受けいれて傷ついたあやめの血を吸い覚醒します。

魔の力を完全に覚醒させた紅は外道鍼による身体改造を無効化して裏切り者の苫利を粛清し、正体を表して天堂を殺害したフェリシアとの最終決戦に挑みます。

そして、幻庵から授けられた最終奥義「真技・冥神封殺剣」でフェリを打ち破り勝利します。

この最終奥義、

「祖父から受け継いだ剣技」

「母から受け継いだ『神眼』」

「吸血鬼としての強靭な身体能力」

「自分が培ってきた長年の鍛錬」

の全てが合わさってようやく完成したっていうめちゃくちゃエモい技なんですよね。

瀕死のフェリは突如現れたブラックに回収されましたが、その後の時系列の作品では影も形も存在していないのでおそらくそのまま死んだと思われます。あんなエモい一撃をまともに受ければ当然でしょう。

その後、吸血鬼として覚醒した紅、紅に吸血されたことで眷属として吸血鬼化したあやめは対魔忍と袂を分かちます。実に賢明な判断だと言えます。

この時点で紅の最大の目的であった母親は既にフェリに殺害されていたことが分かっています。つまり、紅が情報を得るために政府に従う必要はなくなりました。

また、今回罠にかかったのは対魔忍が政府の命令に従わなければならなかったからです。

紅とあやめはこの後も自分達の正義のために戦いを続けていきますが、これ以上対魔忍に所属している理由は一切ありません。

考えうる中で最善の選択をした対魔忍・紅は非常に有能だったと言わざるを得ないでしょう。


そして紅が去ったことで失った戦力の後釜として若手対魔忍・アサギが推薦されるところで本作のストーリーは幕を閉じます。

対魔忍アサギ・ユキカゼと違い、対魔忍紅には今のところ続編が出ていない単発の作品となっていますが、一作だけでも起承転結しっかりまとまっていて、ストーリーを通して紅の魅力もしっかり表現されており、何より対魔忍の醍醐味であるピンチからの逆転劇という展開をしっかり描いてくれているので対魔忍初心者の方にもおススメしたい作品ですね。

しかし、もちろん本作も選択肢によって分岐するバッドエンドが存在するので、一歩間違うと逆転は叶わず紅とあやめは立派なメス豚として出品されてしまいます。

是非実際にプレイして確かめてみてください。

FANZA GAME遊び放題プラスでは対魔忍シリーズがほぼ全作遊べるので、こちらがおススメです。


次は『対魔忍アサギZERO』について解説していきます。

以上!

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