ここまで各作品を振り返って対魔忍の有能さをご紹介してきましたが、そろそろ結論に入りたいと思います。
ここまで、対魔忍が頭対魔忍とされている理由の多くは誤解であり、実際には避けようのなかったピンチの中で対魔忍達は最善の結果を出してきたことを説明しました。
(特に重要なのは『対魔忍アサギ2 〜淫謀の東京キングダム〜』についての解説なので、まだこちらを読まれていない方は是非読んでみてください。)
しかし、どうしても擁護の難しい要素も残念ながら存在します。
まとめに入る前に、まずはそれを3つ解説します。
もちろんネタバレを含むのでご注意ください。
①『対魔忍ユキカゼ』でのアサギの行動
やはり、第一に問題になってくるのは槍玉に上がることも多い作品『対魔忍ユキカゼ』です。
よく指摘される「奴隷として娼館に潜入してそのまま脱出できなくなり調教されてしまう」というガバガバ作戦自体は、
・政府からの圧力
・人員不足
・ヨミハラという土地の特異性
という点でやむを得ない事だったのは『対魔忍ユキカゼ』解説の項で説明した通りです。
これに関しての対魔忍の落ち度はほとんどありません。
問題なのは、トゥルーエンドでのアサギの行動です。
トゥルーエンドに分岐する条件は、「達郎が風遁の術の使い手になること」です。
風遁の術を使いこなし始めた達郎は、その力でアサギとさくらがヘラヘラと話をしているのを盗み聴いて、ゆきかぜと凜子が遂行中の任務の詳細を知ることになります。
この時の達郎の心情を抜粋するとこうです。
あんな深刻な話のすぐ後にあんな顔ができるなんて、それだけ二人には余裕があるのだろうか。
それとも、歴戦の2人にとってはさして深刻でもない話だったのだろうか。
けれど、盗み聴きしてしまった俺はいてもたってもいられなくなってしまった。
ゆきかぜと凜子姉が危険な状態に陥るかもしれない。
それを考えるだけで、俺にできることはないか?
何かやらなければと気が急いてくる。
至極真っ当な心情ですね。
ここでアサギとさくらの考え方が一般人はおろか、対魔忍から見ても常識的な感覚と乖離してしまっていることが分かります。
実際、続編の『対魔忍ユキカゼ2』では静流から「あの人も調教されすぎて、もうちょっと感覚が変なのよ」と評されてしまっています。
そして達郎はアサギへ「任務をすぐに止めるべき!」と直談判します。
これを聞き入れたアサギの命により、さくらは影遁の術でゾクトの影に潜みヨミハラでのゆきかぜ・凜子の様子を見に行きます。
そこでようやくゆきかぜ・凜子の危機をハッキリと認識したアサギは、さくらと共にヨミハラへ強行突入して2人を救出しました。
これの何が問題だったかと言うと、「政府の圧力」「人員の不足」という、これまでの理論を支えていた大前提が崩れ去ってしまったということです。
所詮それらの前提は、一介の学生にすぎず対魔忍としては下っ端中の下っ端な達郎が「どうしても」と頼み込んだ程度で覆ってしまう些細なものだったのです。
そしてバッドエンドでは、その些細な努力を怠ったためにゆきかぜ・凜子は立派な奴隷娼婦に育ってしまいます。
これでは頭対魔忍と言われても仕方ないでしょう。
②秋山 凜子の存在
2つ目は、これまた対魔忍ユキカゼシリーズに登場する空遁の術・逸刀流剣術の使い手『秋山凜子』の存在です。
『対魔忍ユキカゼ』についての解説、および『対魔忍ユキカゼ2』の解説で、ゆきかぜや凜子の一見アホみたいな行動は、脳に仕込まれたマイクロチップ『イブ』の影響であり、本来の凜子は天才的な頭脳の持ち主であることを説明してきました。
しかし『対魔忍RPGX』で見ることのできる凜子の回想は、それでは説明がつかないアホみたいなシチュエーションばかりです。
例を挙げると、
・一般の男子学生(?)とのデートでラブホに連れ込まれ、媚薬を使われ夜通しセッ●スしてしまう
・チ●ポが大きいだけのただの子供に催淫スプレーをかけられイタズラされてしまう
・バイト先で騙されて催眠をかけられ、牛として出荷されてしまう
等です。
私の主観的な印象になってしまうかもしれませんが、凜子だけ他のキャラクターに比べて特にアホさが際立っているような気がします。
対魔忍としてどうとか、魔族との戦いがどうとか、そういう次元の話ですらありません。
ツイッターにいるパパ活女子とかと同レベルかもしれません。
いくら「聖修学園の編入試験を満点で合格」なんて言われても、こんな人を頭脳明晰なキャラクターとは言い難いでしょう。
高学歴のエリートでも何故かカルトにのめり込んでしまう人がいるのと同じような現象なんでしょうか。
なんにせよ、頭がいいことと頭対魔忍であることは矛盾しないのかもしれません。
③公式グッズ
実は「頭対魔忍」とは単なるネット上のミームではなく、公式のワードとしてグッズ化までされています。
・頭対魔忍!?感度3000倍キャップ(販売終了)
・頭対魔忍!?触手キャップ(予約受付中 : 2022/12/6時点)
前述の凜子の扱いといい、どうやら公式は対魔忍が頭対魔忍であることを積極的に肯定してプロモーションしたいようです。
反論しようとすること自体が間違いでした。
ここまで長々と解説してきましたが、まとめると
「対魔忍が頭対魔忍であるとは言い切れないが、少なくともlilithとインフィニブレインは頭対魔忍である」
と結論づけることができるのではないでしょうか。
ちなみに、対魔忍が敗北する要因として度々紹介してきた
・対魔忍が政府の下の組織である
・政府が裏切り者だらけである
という構図と、
・対魔忍の人手不足
という問題ですが、現在DMM GAMES/FANZA GAMESで絶賛配信中である対魔忍RPGのストーリーでは、この問題はかなり改善されています。
まず『対魔忍ムラサキ〜くノ一傀儡奴隷に堕つ〜』の時点で50名程度しかいないとされていた対魔忍の人数ですが、2022/12/6時点で対魔忍RPGに実装されているユニット数はなんと621体です。そしてサービスが続く限り増え続けていきます。
もちろん、この中には対魔忍だけではなく別の組織や敵キャラクターも存在していますが、ほとんどは味方陣営です。
また、同一人物で複数バージョンいるキャラクターもいますが、一人ひとりユニット化されていないモブ対魔忍も大勢存在しているので寧ろ総数はこれ以上でしょう。
実際のところ対魔忍RPG世界において対魔忍が総勢何名ほどいるのかハッキリした数字は分かりませんが、原作シリーズと比べると桁違いに多いことは間違いありません。
さらに悪と戦う者も五車の対魔忍だけではなく、
政府と距離を置いて独自に活動する対魔忍がいたり、
陰陽師がいたり、
米連のロボがいたり、
魔族の中にも正義の心を持つ者がいたり、
なんなら原作では最大の敵だったノマドまで味方みたいになっています。
政府に従属し、戦力を一極集中することの危険性をちゃんと分かっているキャラが多くいるんですね。
そして主人公『ふうま小太郎』が隊長を任される独立遊撃小隊にはかなり自由な行動が許されており、それら数多くの勢力とパイプを持っています。
なので裏切りによって局所的な損害を負うことはあっても、壊滅的な打撃を受けることはありません。
特に印象的だったのは、メインクエストCHAPTER41『五車決戦』ですね。
『対魔忍アサギ3』で五車学園が包囲された際は、圧倒的な物量に押しつぶされて為す術なく敗北してしまいましたが、この五車決戦ではここまで登場してきた数多くのキャラクターたちが集結して大勝利を収めていました。
この章は本当に感無量でした。
このように対魔忍RPGの世界では原作シリーズにあった「頭対魔忍」な状況は(回想を除いて)ほとんど起こりません。
対魔忍にとって最も有能なキャラクターはこの新世界を創り出したエドウィン・ブラック様だったのかもしれません。
この分なら、お子様でも安心して対魔忍GOGO!!をプレイできると思います。リリース時期未定になっちゃったけど…
大人の方は、対魔忍GOGO!!がリリースされるまで原作シリーズをしっかり復習して楽しみましょう!
以上!
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